「母乳が出ない、痛い、もうやめたい…」
完母で穏やかな授乳タイムを過ごせた私ですが、実は何度も挫折しかけました。
それでも試行錯誤を重ね、周りに助けられながら、最終的には完全母乳にたどり着くことができました。
出産直後から完母になるまでのリアルな過程をお伝えします。
この経験が、どなたかの心をふっと軽くするきっかけになればうれしいです。
母乳のメリット
妊娠中、私が惹かれた母乳育児のメリットはこんなにありました。
- 免疫物質や栄養を豊富に含む。
- 肌と肌が触れ合い、スキンシップをとれる。
- ママの回復:子宮収縮やダイエット効果。
- 準備がラク:夜中のミルク作りがない。
母乳で育てられたらいいな。
と妊娠前から考えていました。
産後0~10日:痛みと絶望の記録
【産後0~2日】「出ない」焦りと惨めな夜
初産は母乳が出るのが遅いと聞いていたものの、出産から1日たってもまったく出ませんでした。
さらに私自身、大量出血があり、産後丸1日母子別室。
赤ちゃんに吸ってもらえないまま、3時間おきにベッドで乳頭マッサージを続ける時間は、本当に孤独で惨めでした。
母乳が滲み出してきたのは、産後2日目。
ちょうど母子同室になったタイミングで、まだ数滴でしたが、赤ちゃんに吸ってもらえるようになりました。
しかし、胸はパンパンに張っているのに、飲まれている感覚がない。ただ乳頭が引っ張られて裂けるような痛みだけがありました。
そのため、助産師さんからはミルクを足すことを提案されました。
頭では「最初から十分な量が出ないのは普通」とわかっていたはずなのに、産後の疲労、寝不足、会陰切開の痛み、乳頭と胸全体の痛み、入院中の慣れない環境…。
いろいろなことが重なり、ミルクを足すことへの罪悪感や、赤ちゃんに十分な母乳をあげられない無力感で、マイナスの感情でいっぱいでした。
【痛みに耐えながらの授乳 → 乳頭クリームでケア → ミルクを足す】
この流れを何度も繰り返していました。
【産後3日目】裂ける乳頭、10㏄の搾乳に泣いた日
産後3日目も、胸はパンパンに張ったまま。張りすぎて自分でもうまく搾乳できず、赤ちゃんも飲めない状態でした。
授乳のたびに痛みで体がこわばり、歯を食いしばりながら授乳をしていました。
乳頭クリームを塗っても、傷の進行のほうが早く、ついには血が滲み、ケアが追いつかない状態でした。
助産師さんに相談し、ベッドで搾乳してもらいましたが、胸を絞られる痛みに耐えながら取れたのは10㏄だけ。それでも、その10㏄がとても嬉しく感じました。
その後は
毎回吸わせると傷が悪化して授乳がつらくなるから、2回に1回は搾乳したものをあげましょう
と助産師さんから言われ、搾乳と授乳を繰り返す日々。
それでも吸われるたびに乳頭は裂け、出血し、授乳後は乳頭クリームを塗る…その繰り返しでした。
【産後10日】完母を諦め、ミルク育児を決意
退院当日になっても状況は変わりませんでした。
母乳量は増えてきたものの、赤ちゃんが欲しがる量には足りず、毎回ミルクを30㏄ほど足していました。
吸われる痛みは続き、授乳のたびに出血。
このまま続けるのは無理かもしれない…
そんな思いが頭をよぎるようになりました。
母乳トラブルを抱えたまま退院し、乳頭の痛みに耐えきれず、母乳育児を諦めてミルクで育てようと思っていました。
しかし、胸はパンパンに張ったまま。
放置すると胸全体が熱を持ち、ズキズキと痛む。
母乳のやめ方もわからず、どうしたらいいのか途方に暮れていました。
転機:助産師さんとの出会い
【産後11日】ラクになりたくて試した「母乳マッサージ」
『母乳を諦めるにしても、まずは胸がパンパンに張って痛い状況をどうにかしたい。』
そんな思いで自治体の保健師さんに連絡をし、母乳マッサージを専門に行っている助産師さんを紹介してもらいました。
この時私は、母乳量を増やしたいわけではありませんでした。
とにかく今の胸の状態をラクにしてほしい。
こんなに辛いなら、ミルクで育てたいから母乳を止める方法を教えてほしい。
そんな気持ちでいっぱいでした。
ところが、母乳マッサージを受けてみると、1回目から驚くほど乳頭とその周りが柔らかくなり、胸も軽くなりました。
乳頭周辺が柔らかくなったことで、吸われる痛みも激減し、赤ちゃんも吸い付きやすくなったようで、飲み方が明らかに変わりました。
母乳育児を諦めかけていた私に、助産師さんが
いいおっぱいだよ。
パンパンに張っているのは母乳を作っている証拠。
古い母乳出してあげたから、新しい母乳がどんどん作られて、赤ちゃんも飲んでくれるよ。
と前向きな言葉を沢山かけてくれました。
その言葉と、助産師さんのあたたかい笑顔が、本当に心の支えになりました。
変化の兆し:生後2週間で訪れた「ゴクゴク」の音
半信半疑だった助産師さんからのアドバイス
助産師さんからはさらに、
これだけ母乳が出ているなら、あと3回~5回くらい母乳マッサージをすればミルクを足さなくても大丈夫になりそうだよ。
と言われました。
本当に…?確かに胸も乳頭も柔らかくなったけれど、また張ってきたら自分ではうまく絞れないし、赤ちゃんに飲んでもらえるか不安…
そんな気持ちが正直ありました。
少しずつ増えていく実感
それでも数日おきに3回マッサージを受けると、母乳量もどんどん増え、本当にミルクを足す必要がなくなりました。
母乳育児をやめようと思うほど辛かった『乳頭を吸われる痛み』は、2回目のマッサージを受けた頃にはほとんど消えていました。
赤ちゃんに飲んでもらった後、初めて「胸がすっきりした」感じられたのも、この頃です。
栄養のある食事と水分補給を心がけ、母乳マッサージを継続したことで、私は完全母乳にたどり着くことができました。
赤ちゃんの飲み方も変わり、今まで口先だけでチュパチュパしていたのが、「ゴクゴクゴク」と口全体と喉を使って飲むようになりました。
その変化が、私にとって大きな励みになりました。
まとめ:出産を控える方、今悩んでいるママへ伝えたいこと
母乳育児は、母乳の出方も赤ちゃんの飲み方も、本当に人それぞれです。「自然にできるもの」と思われがちですが、痛い・出ない・吸えない・眠れない…と、実際は想像以上に大変なことばかりです。
胸のつらさをどうにかしたくて受けた母乳マッサージがきっかけで、私は結果的に完母になれました。
でも、ミルクを足したときに満足そうに眠る我が子を見て、「ミルクがあって良かった」と心から思った瞬間も忘れられません。
母乳が出ないと不安になったり、自分を責めてしまったり、周りと比べて落ち込んだり…授乳の悩みはどうしても一人で抱え込みがちです。
でも、母乳でもミルクでも、赤ちゃんの体重が順調に増えていて元気に育っていればそれで十分。
完母でも混合でもミルクでも、どの選択にも“赤ちゃんを大切に思う気持ち”が込められています。
今回の体験談が、今悩んでいる方の希望になり、心を少しでも軽くできますように。
どうかプレッシャーではなく、「こんな人もいたんだ」とそっと受け取ってもらえたらうれしいです。
こちらの記事では、母乳育児で支えになったもの、逆に合わなかったものも正直にまとめました。よかったら参考にしてみてください。


